2015年2月3日火曜日

戦争が終わり、藤は一旦もえた。
現在は2015年。僕はあの2013年の戦争から200年後の藤地区にいる。

あのときサイのマッサージ師をしていた僕の曾祖父は、
マッサージ中、サイの体から出た体液が蓄積し、あれから32年後にサイガンで死んだ。
戦争後、彼は僕の曾祖母に出会った。
曾祖母も曾祖父から転移したサイガンで死んだが、運良く
半分以上の細胞がサイになることができたため、
曾祖母の半分は今もなお古代兵器として封印されている可能性がある。

曾祖母はドードーを調理する際の料理人であった。

僕の体内にも、いくつか曾祖父と曾祖母の細胞がのこっている。
僕の体内に残ったたった63コの曾祖父と曾祖母の細胞は、
未だに豆腐の切り方について争っていて、僕の意思とは関係なく、
全ての生物を木綿豆腐にする能力をもっている。
ただ、一度その能力を使うたびに、曾祖父か曾祖母の細胞がひとつ減ってしまい、
その隙をみて僕の体内の細胞不動産屋が、ゴルフ場を建てようと書類を送ってくるので
仕事がままならない。

この日記を見てわかるように、僕は曾祖父よりも文章力に長けている。ただ、絵が描けないのだ。
これから練習していこうと思う。
曾祖父は、200年も前の人間なので、文章の力が弱かったが、絵でそれ以上の想像力を
カバーしていた。

僕は体内にある曾祖父と曾祖母の細胞をこれ以上減らさないように、というかゴルフ場をたてられるのが嫌なので、あのころの曾祖父に豆腐の切り方を改めさせることを決心した。
曾祖母の切り方の方が美しく、あきらかに効率が良く、木綿にも絹にも最適化されている。
僕は体をスズメバチに組み替え、202年前の、曾祖父の家の近くのカラオケ屋を目指すことにした。

ただ、202年前にいくのに2週間もかかる。202年前は意外と遠い。
さらに距離も加算されるので、3週間はかかるだろう。
ハチになる前にスシでも食おうと思う。

たかくらかずき